シルク博物館名誉館長に、マリ クリスティーヌさんが就任しました。

挨  拶

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 マリ クリスティーヌです。
 このたび、横浜の歴史的シンボルの1つでもあるシルク博物館の名誉館長に就任いたしました。
 シルク博物館は、1959年、横浜港開港100年を記念して開館しましたが、現在、シルクを専門的に扱う博物館としては、世界的にも貴重な施設になっています。
 シルクは、古くから人々の生活に根ざし、文明を支えるとともに、シルクロードに代表されるように、その生産や流通を通じ、異文化の様々な人と人、地域と地域の交流の中心的役割を担ってきたと思います。
  同時にシルクは、服飾や絨毯織物などの分野で芸術的作品を生み出し、さらに今日では、生活技術の伝承や子どもたちの教育・学習とり最もふさわしい素材とし て、またアジアの国々では、女性の自立に欠かせないものづくりの材料としても、その役割は大変幅広いものがあると思います。
  私自身は、国連ハビタット親善大使や国際協力のNGO活動等を通じ、多くの異なる文化や人々と接し、また政府・自治体の各種審議会等の委員を通して、私た ちを取り巻く世界の動きを学ぶとともに、愛知万博の広報プロデューサーの経験を踏まえて、次世代への教育・学習にも取り組んでおります。
  そうした中で、シルクを通じた異文化の長い交流の歴史、そして芸術面や生活・教育の面での役割についても、以前から大きな関心を持っており、私のこれまで の経験や知識、ネットワークが、シルクの殿堂ともいえるシルク博物館の運営に、少しでも寄与できるのではないかと思っています。
  私は名誉館長として、今後とも、伝統的な染織技術やシルクが織りなす貴重な服飾の工芸美などを継承あるいは公開し、より多くの方々にその素晴らしさに接し ていただけるよう努力するとともに、時代や社会が期待する新たなシルクの魅力や可能性も追及し、皆様方により親しまれる博物館となるよう、取り組んでいき たいと考えています。
 2010年8月
                  マリ クリスティーヌ