シルク博物館所蔵品展

「紬のきもの」

   4/23(土)~6/5(日)

「紬(つむぎ)」は、真綿から引き出した紬糸で織られる絹織物です。紬糸は太さが不均一で節があり、丈夫で独特の風合いを持つ布が生まれます。養蚕が行われていた地域では、生糸を生産する過程でできる屑(くず)繭や出殻(でがら)繭を利用して紬を織り、古くから自家用衣料として用いてきました。そうした紬織物のいくつかは、製法を磨き技術に工夫をかさねて、地域の名産品として知られるようになっていきました。江戸時代、たびたび奢侈(しゃし)禁止令が出されて高価な絹物を着ることが禁止される中、丈夫で外見も質素な紬は、庶民の利用が許される絹織物として需要が高まりました。

 現在、日本各地で伝統的工芸品として生産されている紬は、糸作りから織りあがるまでの間に大変多くの手間と高い技術を要します。丁寧な手仕事が生み出す精巧さと一点一点の味わい深さ、素朴なあたたかみ、そして着心地のよさが紬の魅力といえるでしょう。

 本展では、当館所蔵品から、日本各地で織り上げられた紬の着物や着尺(きじゃく)地をご紹介します。また今回、神奈川県内で織られていた「川和縞」も特別に出品していただくことができました。この機会に手仕事の極致といえる紬それぞれの魅力に触れていただければ幸いです。

[開催期間等]

令和4年4月23日(土)~ 6月5日(日)

開館時間: 9:30~17:00 (入館は16:30まで)

休館日    : 毎週月曜日(4/25、5/2 ・ 9 ・ 16 ・ 23 ・ 30)

[後援]

神奈川県  /横浜市文化観光局/ 一般財団法人日本真綿協会/神奈川新聞社 / tvk / NHK横浜放送局 / 横浜繊維振興会

[展示内容]

 展示数 約60点

伝統的工芸品の紬

 「久米島紬」「結城紬」「本場大島紬」「置賜紬」「信州紬」「小千谷紬」など

人間国宝の紬(紬地に染めた着物を含む)

 志村ふくみ 草木染紬織着物「叢」

 宗廣力三 紬地絣着物「藍丸文」

 佐々木苑子 絵絣紬織着物「夜の煌」

 田島比呂子、山田貢、鎌倉芳太郎

 現代作家の紬着物

 特別展示「川和縞男子袴」(個人蔵)

 川和縞は、神奈川県津久井地方で織られていた絹織物で、津久井紬とも称される。『増補染織事典』(日本織物新聞社 昭和9年)には「岸縞」とも呼び、「経に十五、六デニールの生染糸を使用し、緯に細熨斗・紬絓・玉糸等の練糸を織込める紫紺地の大柄・中柄の着尺地にて、絣物多し」と紹介されている。伝承では天明年間(1781~89)に津久井郡中野村川和で誕生したとされるが、それより早く、安永7年(1778)に大丸が記した「諸品年代記」に「川和太織 弐千八百疋」とあり、当時すでに大手呉服店が取り扱うほどの人気を得ていたことがわかる。素朴な風合いが好まれ、川和周辺の村々で織られた反物はすべて「川和縞」の名前で取引されたという報告もある。また、明治期の内国勧業博覧会に、神奈川県の特産品として出品されている。しかし、昭和初期には産出は途絶えたようで、現在では確認できる実物資料も少ないことから「まぼろしの紬」とも称されている。

 本展では、愛川町半原の小島家が大切に保管してきた袴(明治30年頃製作)を借用し、特別出品する。この機会に多くの方々にご観覧いただきたい。

[その他]感染症対策の実施について

 現在、当館では新型コロナウイルス感染症予防対策を講じており、ご入館される際には、ご協力をお願いしております。当館の予防対策については、以下をご覧ください。

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⇒ ◆予防対策の取り組み(ガイドライン簡易版)

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